Profile
吉永哲道_写真1
吉永 哲道 (よしなが てつみち)

音(響き)そのものが、美しく澄んでいなければならない。
音(響き)そのものが、高貴でなければならない。
音(響き)そのものが、歌っていなければならない。
音(響き)そのものが、何かを語っていなければならない。

ロシアのピアニズム(ネイガウス流派)を徹底的に学び、響きの美しさを追求するピアニスト。
その演奏は、「静寂の水面に滴る水のように、彼の音は波紋を広げる。それでいてどんなフォルティシモでも、ピアニシモが聴こえてくる」とも評され、多くの専門家から高い評価を得ている。

1978年愛知県生まれ。4歳からヤマハ音楽教室にてピアノを始め、1990年よりヤマハマスークラスに在籍。1992年、第46回全日本学生音楽コンクール名古屋大会中学生の部第2位。1993年、第17回ピティナピアノコンペティション全国大会F級金賞。1994年、Bunkamuraオーチャードホールにて故ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮、ナショナル交響楽団と共演。
1995年、第49回全日本学生音楽コンクール名古屋大会高校生の部第1位。1997年名古屋市立菊里高等学校音楽科を卒業後、1998年9月よりモスクワ国立音楽院へ留学、10年に渡り同音楽院で研鑽を積む。1999年、“若い音楽家によるモスクワ国際音楽祭”に参加、モスクワ音楽院大ホールにて、ドミートリー・オルロフ指揮、モスクワ国立交響楽団と共演。2004年、ロシアの地方都市サマーラで行われた音楽祭にて、ミハイル・シェルバコフ指揮、ロシア国立サマーラ交響楽団と共演。2005年5月、音楽院本科を卒業、音楽院大ホールにて行われた卒業演奏会に成績優秀者として抜擢され出演した。同年、リトアニアの首都ヴィリニュスで行われた、“クリストファー・サマー・フェスティバル”に出演(ジョイントリサイタル)。2008年10月、音楽院大学院を修了。
同年、第1回ショスタコーヴィチ国際室内楽・ピアノデュオコンクールにピアノトリオで参加しディプロマを、第14回アンドラ国際ピアノコンクールにて第5位及び特別賞(スペイン人作曲家作品最優秀演奏賞)を受賞。また2016年には、第2回ロシア声楽コンクールにて最優秀伴奏者賞を受賞した。
これまでに、ピアノを田中須美子、内藤江美、江口文子、國谷尊之、浦壁信二、ピャトラス・ゲヌーシャス、マクシム・フィリッポフ、ダリヤ・ペトローヴァ、故ヴェラ・ゴルノスタエヴァ、大野眞嗣各氏に、伴奏法をマルガリータ・クラフチェンコに、室内楽をニーナ・コーガンに師事。
帰国後は、ソロ、二台ピアノ及び伴奏等の分野で演奏活動を展開するとともに、後進の指導にも力を注いでいる。2014年には黒岩英臣指揮、セントラル愛知交響楽団とブルッフの2台ピアノと管弦楽のための協奏曲を共演の他、2015~16年にかけてブラームスのピアノ作品によるシリーズリサイタル〈J.ブラームスとの対話〉を行い、好評を博した。2018年、ファーストアルバム「G線上のアリア ~J.S.バッハと珠玉の小品たち」をリリース。

ヤマハマスタークラス講師(2009年度~)、常葉大学短期大学部音楽科非常勤講師(2009年度~2020年度)、桐朋学園大学大学院嘱託演奏員(2017年度~)、洗足学園音楽大学非常勤講師(2021年度~)。
愛知ロシア音楽研究会会員。